濱田庄司は、生前に多くの民家や長屋門、蔵などを県内外から移築して生活と制作の場としていました。財団法人 益子参考館は、そうした建物の一部を展示室としています。
濱田庄司館をふくむ五棟の展示館と工房・登り窯などがゆったりとした空間のなかに配置されていますので、木々や季節の花々が咲く庭とともに、のんびりとご覧いただけます。
1号館・受付
県内から移築した長屋門のエントランス。西側(向かって左)が受付と売店、東側(向かって右)が1号館の展示室となっています。
栃木県内から移築された長屋門の受付・展示室です。「益子参考館」の題字は濱田庄司によるもので、文字通り益子参考館の玄関です。東棟の1号館では、年に2〜3回の企画展示を行っています。
2号館・3号館
大谷石の石蔵を利用した展示室です。2号館では主に西洋やオリエントの蒐集品を、3号館では日本や中国、朝鮮、台湾などアジアの蒐集品を展示しています。
栃木県産の大谷石の石蔵は、県内の特徴的な建築の一つ。益子参考館の石蔵は、隣町の真岡市から移築されたものです。2号館では、高い天井と柔らかい自然光による独特の雰囲気の中で展示品をご覧いただけます。
4号館(上ん台)
4号館は、「上ん台(うえんだい)」と呼ばれた濱田庄司の別邸を展示棟として公開・活用しています。家具や食器類などの蒐集品を展示しています。イギリスのウィンザー・チェアーや濱田デザインのテーブルセットなどで、ご休憩いただくこともできます。
1942年に隣町から移築した大きな母屋で、濱田庄司のもっともお気に入りの建物でした。豪壮な庄屋建築ですが、土間部分を板張り・石敷きにするなど、移築時に濱田が様々な手を加えており、独特の雰囲気を持つ建築となっています。
イギリスや日本の家具、木喰仏など様々なコレクションを陳列しています。
工房・登り窯
濱田庄司が使用していた工房(細工場)や塩釉窯、赤絵窯、登り窯などを見ることができます。
益子内から移築した仕事場には、濱田庄司が実際に使っていた手回しロクロがあります。窯場には、大きな登り窯のほか、塩釉用の塩窯、上絵付け用の赤絵窯などの窯をご覧になれます。