次回、企画展示のお知らせ 「濱田庄司とイギリス陶器」

次回1号館企画展示のお知らせをいたします。

企画展示 「濱田庄司とイギリス陶器」

会期 2026/1/2〜6/28

濱田庄司の作陶や民藝運動の姿勢のベースの一つとして、特に初期の作陶に大きなインスピレーションを与えたものとして、スリップウエアを始めとするイギリスの古陶が上げられます。

濱田とイギリス陶器との出逢いは、濱田がバーナード・リーチとともに渡英する前に、柳宗悦らによって紹介されたロマックス著の「クエント・オールド・イングリッシュ・ポタリー」というイギリス古陶の専門書が元になっていると見られますが、同書に掲載の装飾的な「トフトウェア」の様式よりも、庶民の生活の中にある素朴な様式に注目して行ったのは、バーナード・リーチと共にセント・アイヴスやディッチリングに滞在した期間に得た、郊外の芸術家の暮らしぶりからの学びや、民藝に由来する美意識が影響したことが大きいと推察されます。また数年前に濱田窯長屋門より発見された、濱田所蔵の約100年前のイギリスの田舎の生活を記した研究書「OLD ENGLISH HOUSEHOLD LIFE」(ガートルード・ジェイキル著)に濱田の筆跡と見られるメモ書きがあることなどからも、質朴な田舎の生活への関心の高さを見て取れます。

今展では、濱田の収集の中からイギリス陶器の他、このような関連図書も展示。

また、濱田がイギリス滞在中に制作した陶器の他、益子に定住した直後のスリップウエア技法を益子の材料を使い模索していた頃の生き生きとした途上の器を、当館初公開も含め展示いたします。